【幸せを目的にした政策】03.個別政策の問題点 (7)科学技術関係

科学技術の振興のための助成金等に1.3兆円が使われています。これに国立大学の運営費交付金・私立助成等のうち科学技術関係、科学技術を用いた新たな事業化の取組、新技術の実社会での実証試験、既存技術の実社会での普及促進の取組等に必要な経費を加えた、科学技術関係予算は3.7兆円となります。

これは、国民1人当り29千円、1世帯当り71千円です。予想以上に少ない金額です。

 科学技術関係は、国家予算の中で最も戦略的に考え、より多くの投資すべき領域ではなないでしょうか。民間企業の売上高に対する研究開発費は、経産省の「企業活動基本調査」によれば3.48%です。科学技術の振興のための助成金等の3.7兆円という金額は、国の売上高とも言えるGDP(2011年度で507.5兆円)に対して、僅かに0.73%です。

 国の役割、民間企業の役割がありますので一概に言えませんが、国としての方向性を示唆すべき変極点の数字としては、あまりにも低い気がします。

日本の強み、弱みの分析を行い、世界における貢献領域を定義し、(自由・競争主義を是とすれば)競争優位性を実現するために、同領域に官民共同で戦略的投資を行なうべきかと思います。

 日本の社会が成熟し、これまで日本の成長を支えてきた、もの作り技術は、韓国、台湾などにキャッチアップされています。また生産技術の若干の高さを持ってしても、人件費の安い中国や東南アジアには敵わない今、世界に貢献できる領域に、おそらく数倍規模の戦略的投資が求められる状況ではないかと推察します。

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