【社会と企業】02.企業経営の本質(その1)

企業も国も、自給自足に対峙した、幸せ生産のコミュニティの一つの形態であることは、前回お話させていただきました。

家を建てる、狩に行く、魚を捕りに行く、水を汲み行く、お米を作る、野菜を作る、綿を紡いで衣服を作る、薬草を取りに行く、これらのことを自給自足 で行うことは可能です。しかし世帯が集まり、分業をすることにより、より少ない工数と苦労で、多くの幸せが得られることが分かりました。この分業の仕組み により、多くのモノ、サービスが効率的に生産できるようになり、更なる分業の発展のために、貨幣、市場などの仕組みが発明されました。

会社は、この幸せの生産を目的にした分業形態の一つです。現在、馴染みがある、自由・競争主義社会では、会社は自由に作れますが、幸せを生産する効 率が悪いと、強制的に解散させるルールにしています。つまり、「受幸者人数 x 幸せの大きさ」を売上、「幸せを作る工数 x 苦労の大きさ」をコストと 称して、売上-コスト>0でないと、倒産というルールです。また競争によりCSR指標値を継続的に大きくするため、競争を損なう巨大企業の出現に歯止めを かける、独占禁止法が施行されています。

ところがこの原理原則を忘れて、いつのまにか企業の存続自体が目的となったり、企業は株主のために存在するとか、利益を上げるための小手先のテク ニックに執着したりと、本末転倒な状況があちこちで見られます。MBAを始めとする学校も、幸せではなく、利益を目的として、教育体系を作っているので、 本質を理解できていない学生は、企業は株主のために存在し、株価を上げるためには、云々と、マネーゲームに興じることに陥ってしまいます。

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